アンチポルノ

 ちょっと遅くなっちゃったけれど、続いて「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第4弾。園子温監督の『アンチポルノ』。

 まず、ぼくの個人的な主観をはっきりと書いておきたい。あくまでも、個人的な思考です。それを踏まえたうえで、お読みいただきたい。
 ぼくは常々、なぜ日本人女性の多くが、髪を茶髪にし、美白美容液や化粧品を使いまくり、巨乳であることに憧れるのか、疑問を感じていた。そうまでして白人女性になりたいのか。白人女性は美の目標なのか…。
 日本語の表現に、「緑の黒髪」という女性への最大賛辞の言葉があるように、日本人女性の本来の美しさは、艶やかな黒い髪と、程よい色のついたきめ細かい肌、そしてそんな身体つきに似合ったバランスの良いバスト、それこそが日本人の、いや、もっと広範囲で言うと、アジア女性の最大の魅力なんじゃないかと思っている。何も日本人は、アジア人は、白人になる必要なんてないはずなのだ。あなたたちは、本来の姿が一番美しく、そして魅力的で、セクシーだ。絶対、そうだ。某国総理大臣の言う「美しい日本を取り戻す」というキャッチフレーズは、彼の考えるそっち方面ではなく、ぜひこっち方面で実践してもらえないかと、本気で思う。
 そういう意味で、この『アンチポルノ』という映画を観て、ぼくは筒井真理子さんの、黒々とした、手入れも何もしていないかのような、猛々しい陰毛が見えた瞬間に激しく欲情してしまった。まさに「緑の黒髪」だった。この「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」シリーズ中、最大のエロシーンだ!
 園監督が『アンチポルノ』と題し、ロマンポルノに、いや、日本のエロスの観念に対して、強烈なアンチテーゼを挑んできたこの作品で、まさか日本女性の一番の原点ともうべき姿にこんなに欲情する観客がいるなんて…。監督、思いもされてなかったでしょうね。改めてぼくは、自分の主観が間違っていなかったことを確認できたということか。いやはや、やっぱり映画は凄い。

 しかしながらこの作品を、上映してみようかなと思われる成人映画館があるとするならば、ぼくはやめておいた方がいいですよと、迷わず進言する。ぼく個人は面白く見たし、これもありだとも思う。映画という表現方法の多様さを実感できる作品でもある。でも、「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」というくくりでこれを製作し、上映するにはこれはエゴだ。それは監督のせいではなく、プロデューサーの責だ。ロマンポルノという言葉に魅かれてやって来る映画館のお客さんが、これを喜ぶとはとても思えないのだ。
 「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」ではなく、この作品は、単独で作られるべきだった。園監督自身が言われているように、次回ははっきりと「若松孝二リスペクト」と銘打った作品をお願いしたい。それをぜひ観たい。
 『アンチポルノ』は、タイトルといい、何とも残念なというか、複雑な心境になった作品だった。

                                      フリーライター  宇喜多洋平
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