風に濡れた女

 続いて「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第2弾。塩田明彦監督・脚本による『風に濡れた女』を見た。

 まず、前回記事の絡みで言うと、タイトルがかつてのロマンポルノらしくっていい。ただ、このタイトルから感じ取れるしっとり感というか、叙情的なものは、まったく本編には繋がらない。ある意味、第1弾の『ジムノベティに乱れる』と真逆になってしまって、それって、いいの? と笑ってしまう。ま、かつてのロマンポルノの中にも、結構タイトルと内容が完全にかい離しているのもあったけど…。

 とにかく登場人物たちのSEXがドライである。70年代じゃないんだから、今どきこんな演劇集団ってないよな~とは思うが、劇団という関わっている人たちがものすごく熱くなる傾向の強い組織にいる人々なのに、な~んかほんとにドライなのだ。そのギャップは面白いはずなんだが、その面白さが伝わってこない。まさに淡々と進んでいく。ヒロインの女の子にしたって、淡々と現れて、淡々と去っていく。その淡々さを監督が面白がっているなら、それはこの映画ではわたしたちには届き切れなかったということか。なんなんだろう、いったいこの無量感は…。

 といったことを思いながら帰宅している途中、ふとあることに気づいた。
 この作品って、塩田監督の芹明香さんへの、あるいは『(秘)色情めす市場』へのリスペクトなんじゃないかって!
 ヒロインを演じた間宮夕貴さんのセリフのリズム、立ち振る舞い、そして物語全体の行動心理に、芹明香さんを感じたのだ。そして、彼女をひょいとうつぶせに肩に担ぎ上げて、カメラに尻を向けながら建物の中に入っていくカットなど、あれって『(秘)色情めす市場』ですよ。
 なるほど、そう見てみれば、あのドライさは妙に納得してしまう。
 あくまでもぼく個人が思ったことで、これについては何の裏付けも真意もないが、もし合っていたとするならば、このプロジェクトに相応しい作品だったのかもしれない。

                                  フリーライター  宇喜多洋平
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