CINEPO.comスタッフ日記 > 成人映画について

大杉漣さんに捧ぐ

 いまだに衝撃感から脱しきれません。

 2018年2月21日午前3時53分、大杉漣さん死去。享年66歳。

 もう語りつくされていますし、今さらわたしがここでゴタゴタ書くこともありません。ていうか、書く気が起こらなかったのも事実です。
 ご存知のように大杉さんは、1974年、23歳の時に太田省吾さん創設の転形劇場に入団されました。太田省吾さんは当時のアングラ(小劇場)演劇のスター演出家の一人でした。
 ただ役者として劇団活動だけで食べていくのはしんどく、1980年に新東宝の『緊縛いけにえ』で映画デビュー。以後、80年代の数多くの成人映画に出演されます。いや、大杉さんだけではありませんね。当時の小劇場を支えていた俳優さんは、男優だけじゃなく、女優さんも多数出演されています。年間200本以上製作されていた成人映画の世界は、そういった若手の俳優やスタッフを食わせて、鍛え上げることのできる場所だったのです。そういう時代でした。
 その後売れていった人々の中には、その時代の自分の履歴を封印する方も多いのですが、大杉さんはまったくそういうことをしなかった方でした。むしろ誇らしげにされていた…。

 わたしたちが運営いたしております、成人映画を中心とした映画グッズのネット通販ショップ【CINEPO.com】には、そんな若き日の大杉錬さんの姿が残る商品を数多く取り扱っています。どの大杉さんも、どんなにステキか…。
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 売り切れのものも、結構でてきてますけど…。

 わたし、数年前、大阪府高槻市で行われた大杉漣さんのライブを見たくて、会場まで行ったんですが、満席で入場できなかったことがありました。もう30分早く着いてれば入場できたのにと、今はただただ後悔する、丁稚の定吉です。俳優大杉漣は、残された映像でこれからも見ることが出来ますが、ギターを弾きながら歌う大杉漣のライブは、もう絶対に見れないんですから。ほんとに悔やんでます…。

 『連続暴姦』『変態家族 兄貴の嫁さん』『ぼくらの季節』…。これからもわたしの宝物です。
 大杉漣さん、ありがとうございました。そして人生のクランクアップ、お疲れ様でした!

西村昭五郎監督に捧ぐ 2

 秋めいてきました…。
 皆さん、こんにちわ。丁稚の定吉です。

 先日の毎日新聞に、西村昭五郎監督への追悼文が掲載されていました。筆者はなんと、白川和子さんです!
 一般紙がポルノ映画を主な活動フィールドにした監督さんへの追悼文を大きく取り上げること自体が珍しいと思うのに、その筆者にポルノ映画女優だった方を選ぶなんて、これまた珍しいんじゃないかと…。

白川和子さんによる追悼文

 それだけやはり、『団地妻 昼下りの情事』という作品が与えた影響が大きかったということなんですね。そして今や完全に日活ロマンポルノというものが、日本映画のひとつの歴史として認められているということだと思います。
 いい文章でした。

 興味のある方はぜひ、アーカイブとか図書館などでお読みください。
 2017年9月11日の毎日新聞夕刊です。
 なお、わたしが読んだのは大阪本社発行版ですので、地方によっては若干の掲載日のずれがあるかもしれません。そこのところはご了承の上、その前後の日発行分をお探し下さいね。

西村昭五郎監督に捧ぐ

 残暑お見舞い申し上げます。
 そしてこの夏も、多くの地域で多くの自然災害が発生しました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。一日でも早く元の生活に戻れますように…。

 こんにちわ、丁稚の定吉です。

 今年も暑かった夏。
 そんな真夏に、西村昭五郎監督が逝去されました。享年87歳。


団地妻 昼下りの情事


 ロマンポルノを愛する皆様方にとっては、何の説明もいらない監督ですよね。監督ご自身がそう呼ばれることを何よりも嫌っていたというのも知りながらも、やはり「巨匠」逝く、という言葉を使いたくなってしまいます。
 監督はとにかく、自作について語らない方だったようです。記念すべきロマンポルノ第1作目について、相手が誰であろうと、どんな状況であろうと、「会社の方針でしたから」としか答えられなかったというのは有名なことですし、言ってみれば、端的にその言葉が監督の思いを表していたんだろうなと思います。映画なんて、研究や評論するもんじゃない、金を払って劇場に来てくれたお客が喜んでくれればいいんだ、その哲学の中にすべての自分の映画術を封印した方だったんだろうなと思います。
 潔いです、西村監督。

 早々と生まれ故郷の滋賀県の老人ホームに入居され、テレビの2時間ドラマの監督の仕事をされるときは、その老人ホームから現場へ通ってられたというのは聞いたことがあります。財を残すとか、そんなことには全く無関心だったんでしょうね。
 やっぱり、潔いです、西村監督。カッコいいです。

 あなたが会社の方針に沿って撮って、いっぱい残して下さった作品は、これからも私たちを魅了していくことでしょう。
 西村監督、人生のクランクアップ、お疲れ様でした…。

 

ホワイトリリー

 「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の最終作について。
 日活入社によって映画の世界に入ったのが、中田秀夫氏。ペーペーの助監督から始まって、ロマンポルノの現場で映画を学ばれた。上垣組、黒沢組などに付いておられたようだが、ご本人に言わせると「ぼくは優秀な助監督ではなかった」ということになるようだが、それでもいつかはロマンポルノを監督するというのを夢見て、現場を走り回っておられたのに違いない。
 が、1988年、日活はロマンポルノの製作を中止し、そのせいで若き中田秀夫は、夢を叶える前に日活を去ることになる。
 その後の中田秀夫監督の活躍は皆さんが知る通り。ハリウッドでもその名は高い。

 そういう意味からいうと、中田秀夫監督がこの「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」を撮るには、最もふさわしい人だろう。あれから30年、中田秀夫監督、念願のロマンポルノデビューなのだ。

 その『ホワイトリリー』なのだが、いやいや、ねちこい。これでもかとくるエロス描写には、監督の30年間の思いが積み込まれているといえば言い過ぎだろうか。まさに、80年代のロマンポルノの名作を見ているような趣だった。
 じゃ、面白かったのかと言われれば、これがそうでもないんだな。
 じゃ、何が悪かったのかと言われれば、もうこれは「脚本」だ。
 心も身も傷付いた主役の女性が、心も身も捧げるように惚れる陶芸家の女性先生というのが話の芯なのだが、その女性先生がちっとも魅力的でないのだ。いや、これは演じた役者のことではない。脚本上の設定として、まったく魅力的でない人物を造形してしまったのが原因なのだ。芯がずれてしまったので、主人公の行動に説得力が伴わない。これはつらい…。そこに男が絡んできても、女性先生が光らないので、三人の三角関係がドラマを生んでこない。もったいないとしか、言いようがないのだ。

 「百合族」という言葉を生み出したのもロマンポルノだった。中田監督の、それらも含めたすべてのロマンポルノへのオマージュは感じられるのだが、いかにも中途半端な作品になってしまった。が、機会があれば、ぜひまた、中田監督のロマンポルノを見てみたい。その際には、もう少し脚本を練って。

                                          フリーライター 宇喜多洋平


アンチポルノ

 ちょっと遅くなっちゃったけれど、続いて「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第4弾。園子温監督の『アンチポルノ』。

 まず、ぼくの個人的な主観をはっきりと書いておきたい。あくまでも、個人的な思考です。それを踏まえたうえで、お読みいただきたい。
 ぼくは常々、なぜ日本人女性の多くが、髪を茶髪にし、美白美容液や化粧品を使いまくり、巨乳であることに憧れるのか、疑問を感じていた。そうまでして白人女性になりたいのか。白人女性は美の目標なのか…。
 日本語の表現に、「緑の黒髪」という女性への最大賛辞の言葉があるように、日本人女性の本来の美しさは、艶やかな黒い髪と、程よい色のついたきめ細かい肌、そしてそんな身体つきに似合ったバランスの良いバスト、それこそが日本人の、いや、もっと広範囲で言うと、アジア女性の最大の魅力なんじゃないかと思っている。何も日本人は、アジア人は、白人になる必要なんてないはずなのだ。あなたたちは、本来の姿が一番美しく、そして魅力的で、セクシーだ。絶対、そうだ。某国総理大臣の言う「美しい日本を取り戻す」というキャッチフレーズは、彼の考えるそっち方面ではなく、ぜひこっち方面で実践してもらえないかと、本気で思う。
 そういう意味で、この『アンチポルノ』という映画を観て、ぼくは筒井真理子さんの、黒々とした、手入れも何もしていないかのような、猛々しい陰毛が見えた瞬間に激しく欲情してしまった。まさに「緑の黒髪」だった。この「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」シリーズ中、最大のエロシーンだ!
 園監督が『アンチポルノ』と題し、ロマンポルノに、いや、日本のエロスの観念に対して、強烈なアンチテーゼを挑んできたこの作品で、まさか日本女性の一番の原点ともうべき姿にこんなに欲情する観客がいるなんて…。監督、思いもされてなかったでしょうね。改めてぼくは、自分の主観が間違っていなかったことを確認できたということか。いやはや、やっぱり映画は凄い。

 しかしながらこの作品を、上映してみようかなと思われる成人映画館があるとするならば、ぼくはやめておいた方がいいですよと、迷わず進言する。ぼく個人は面白く見たし、これもありだとも思う。映画という表現方法の多様さを実感できる作品でもある。でも、「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」というくくりでこれを製作し、上映するにはこれはエゴだ。それは監督のせいではなく、プロデューサーの責だ。ロマンポルノという言葉に魅かれてやって来る映画館のお客さんが、これを喜ぶとはとても思えないのだ。
 「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」ではなく、この作品は、単独で作られるべきだった。園監督自身が言われているように、次回ははっきりと「若松孝二リスペクト」と銘打った作品をお願いしたい。それをぜひ観たい。
 『アンチポルノ』は、タイトルといい、何とも残念なというか、複雑な心境になった作品だった。

                                      フリーライター  宇喜多洋平

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